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うっかり出戻りのテニプリblog。 立海→82と真幸。 ルド→赤観。 呟きとSS、ひょっこり絵。 基本は、マンガとゲーム。
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最近、ここで良く彼の姿を見る。
彼、と表現したが、もしかすると彼女かも知れない。




仁王は最近、校門辺りに出没する猫と良く目が合った。
少し猫の様な雰囲気のある仁王に親近感を持ったか、その姿を見つけると甘く鳴き、近付いて来るのだ。
野良猫ならば人を嫌うだろうが、何故か仁王に近付いては足元でじゃれる始末。
「お前さんは、何処の子かの?」

「にゃ~」

とてとて、と歩み寄ってきた猫を抱き上げ、返事は鳴き声だと判っていてもつい、聞いてしまう。
仁王は、柔らかな毛を撫でてやりながら、その顔を覗き込む。目を細めて喉を鳴らす猫は、仁王の体温が気持ち良いのか、欠伸をして小さく鳴いた。

「それにしても素直な子じゃな……誰かさんも、お前さんみたいに素直ならえぇんじゃがなぁ」

「……にゃ?」

自分の事を言われているのでは無いのだと判った猫は、小首を傾げて仁王に問い掛ける。

誰のこと……かと。

呟いた独り言が猫にも判ったのが面白く、そして賢い子だと褒めるように抱き締めてやった。

「俺の親友……違うの、一番大切な奴の事ナリよ」

「なーお」

抱いた猫に頬擦りをして仁王は顔を埋めると、一番大切な人の名を唇の動きだけで唱える。

「にゃっ?!」

「私には、そう言う事をしては下さらないんでしょうか……仁王くん?」

「……やっ……」

唱えられた名に驚いたか、仁王の腕の中にいた猫は、ひと鳴きしてそこから飛び出した。そして、校内に植えられている草木の中へと、駆けて行ってしまった。



仁王の背後から声を掛けてきた人は、両手が宙に浮いたままの彼をそのまま抱き締めた。
いきなりの事に驚き、喉の奥で引っ掛かってしまった名を呼ぶ事も出来ずにいる仁王の淡く色付いた首筋へ、顔を埋める。

「まさはる」

吐息だけで仁王の名を唱えた、仁王の一番大切な人……柳生は、甘える様に銀色した彼の髪に頬を寄せ、戯れるのだった。







君の気持ち、彼の気持ち、猫の気持ち。 / 20110223







友達がPを聞いている、との事を言っていたので…そのジャケ写をイメージして書きました。


ちょっと柳生さん、恥ずかしい事しちゃってるので…非常に私もコメントするのが恥ずかしいので、このまま退散します(笑)



ちょっとでもホッコリ?して頂ければ幸です。


仕事帰りの短い時間で打ちましたので、内容も薄いですが…二人の様に暖まって下さいませ。



お付き合いの程、ありがとうございました☆
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あなたの一番、綺麗なものを――――


私に下さい。








登校途中、柳生の姿を見付けた仁王は、銀髪をユラユラ揺らせて近付き、背後から声を掛けた。
一瞬、肩を上げて驚き眼鏡を掛けた柳生は振り向き、きちんとした朝の挨拶をする。それに応える様に、片手を顔の近くまで上げた仁王は、歩幅を合わせて会話に花を咲かせた。
その二人の様は絵になるのか、周りの女生徒達が騒ぎ始める。
常勝テニス部のレギュラーともあれば、学校の皆が知っている顔だ。加えて仁王の容姿とミステリアスな雰囲気が、一際目立つ存在だった。

「今日も仁王くんは、モテていますね」

「今日は……違うぜよ。お前さん誕生日じゃろ?」

綺麗な顔立ちをした仁王が、顎を持ち上げて柳生の視線を誘導する。眼鏡の奥に潜んだ瞳を動かしてみれば、遠巻きに二人の方を見ている女生徒と、その手にあるものが映り込む。
どうしたら良いのか判らないと、視線を送りながら、周りにいる友達らしき生徒と小声で会話をしていた。
「今日の柳生は、モテモテじゃのぉ」

含み笑いをしながら銀色の髪と肩を小刻みに動かして笑う仁王に、何度も背中を平手打ちされる柳生は、痛さで身体を捩る。
その仕打ちは、かわれている感じがして心地悪く、人波を華麗なステップを踏み校内へと滑り込んで行った。

「やり過ぎたの」

――――紳士は、照れ屋じゃき。
両手を頭の後ろで組み、また一つ小さく笑った仁王も、小走りで行ってしまった柳生の影を追い、校門を目指してのんびりと歩いて行くのだった。



***



「たくさん貰うたの、プレゼント」

教室に辿り着く迄に、両手では数え切れない程の人からプレゼントを手渡された柳生は、へとへとになりながら現れた。
プレゼント攻めに逢っている姿を横目に通り過ぎてきた仁王は、彼よりも先に教室に辿り着いていて、席で待ち構えていた。

「仁王くん、クラスが違うでしょう? 早く戻らなければ始業に間に合いませんよ」

「ほんとほんと、さっさと教室に帰ろうね~」

「んなら、幸ちゃんも一緒に行くぜよ」

「柳生との仲を邪魔されたからって、俺にまで被害及ぼさないでよ!!」

「仁王、頼む……連れて行ってくれ」

幸村に朝っぱらから絡まれ困り果てていた真田が、これみよがしに便乗する。
もちろん、その態度が気に入らない幸村は、口癖になっている『真田のバカ!』と叫ぶが、仁王が首根っこ掴んで教室から引きずって行った。

「いろいろ大変ですね」

「お互い様だろう」

騒がしい二人が教室から出て行ったのを確認してから、柳生と真田は声を交わし、顔を一瞬合わせて吹き出した。

「誕生日だったな……おめでとう。今日は多分、練習にならんな」

礼と謝罪を一度に言う柳生へ、レギュラー全員がほぼ通る道だから仕方ないだろう、と苦笑いする真田だった。
そうこうしている内に、始業のベルが鳴り始め、真田は自分の席へ、柳生は机の上に広がったプレゼントを一旦ロッカーへと片付け、授業の用意を始めた。
携帯電話の電源を切らなければと、胸ポケットに仕舞っているそれを取り出す。開いてみればタイミング良く、一通のメールが飛び込んできた。
手早くボタン操作をし、内容を確認すると相手へ返信を出す。
手短な相手の文章に『判りました。後程に』と答えた柳生だった。



***



昼休み。
始まりを告げるベルが鳴るや否や、弁当箱を引っ掴んだ柳生は、走らないように、それでいて急いで教室を飛び出した。
短い文章で呼び出された場所へと向かい、廊下に溢れている人波を掻き分けて行く。
階段を昇り、重い鉄のドアを開けばそこは、羊雲が浮かぶ青空が見上げられる屋上だった。

「仁王くん、どちらにいらっしゃいますか? 返事をして頂けますか?」

口元に手を翳し、始業前にメールを送ってきた仁王の名を呼ぶ。
呼び出した割には未だ来ていない可能性は大いにある、と思いつつ声を掛け続ける。
すると、先程柳生が開いたドアの後ろに隠れていたのか、背後から声が返ってきた。
今朝、登校してきた時と同じ様に驚いた柳生は、身体を揺らして振り返る。
そこには、ほくそ笑み片手を上げて挨拶している仁王が、少し背中を丸めて立っていた。

「声、出ん程ビックリしたんか?」

「……全く。悪戯心にも程がありますよ」

敢えて驚いたとは言わない柳生の強がりに、また一つ笑って近付いた仁王は、さっさと食事を済ませようと固まっている彼の手を引き、日溜まりの中へ腰を下ろす。
向かい合って、言葉を交わしながら食べ物を口へと運び、空になっていた腹を満たして行くのだった。






「それで、私を呼び出したご用件は?」

「ああ。それな……」

何処までも丁寧な柳生の所作は食事にも現れていて、先に食べ終わってしまった仁王はコンクリートの地面に寝そべり、両肘で身体を支えあげ様子を見詰めていた。
声を掛けられた事で、のっそり身体を起こし正座をすると、襟を正して咳ばらいをした。
砕けて話すのが仁王だと認識していた柳生は、彼の楚々とした態度に釣られ、同じ様に正座をして向かい合う。
正面切って瞳が重なった刹那、顔を真っ赤にして仁王は俯き吃りを上げ、膝の上にある拳を握り締めた。

「その……あの……あのなっ……」

「落ち着いて、深呼吸して下さい。ゆっくり話して頂いて大丈夫ですから」

言われるがまま、その声量に導かれるがままに呼吸を整える仁王の姿に、天上から降り落ちる秋日の様な微笑みをして柳生は見詰める。
その笑みと光に護られて銀髪を輝かせた仁王は今日、目の前に在る彼に伝えるべく内に秘めていた言葉の封印を解く。

「誕生日のプレゼント……何が欲しい?」

突然の、仁王の台詞に一瞬、躊躇ったが柳生は人差し指を差し出し、鼻先へ突き立てた。
表情は何故か固く、冷めた視線を送って来る彼に、仁王は喜ばせるつもりが失敗したのかと、後悔の念に曝された。
柳生の醸し出す恐怖を感じたままに瞳を強く閉じ、顔を引いて彼から逃げる。

「そんなに怖がらないで下さい。あなたを食べてしまう訳では無いのですから……」

仁王の瞳に姿を宿さないことに安堵した柳生は、眼鏡を外して冷たくしていた表情を和らげて、小さな笑みを浮かべる。そして、鼻先へ突き立てていた指を、緩やかな動きで仁王の肌の上を滑らせて行く。
爪先だけで擽られ、粟立つ感覚が波紋を生み全身へと広がる。
身震いする彼の様子に柳生は、酷い事をしてしまったと、小さな声で謝罪する。そして、鼻先から唇を辿り、喉の稜線を行き過ぎて……滑らせていた指先は、目的の場所へと突き立てた。
「此処を……」

柳生の、息を殺して言う『此処』が何処なのか知りたくて仁王は、ゆっくりと長めの睫毛に彩られた瞳を開く。
そこは、仁王の左胸――――心臓の辺りを指差さしてあった。

「あなたの、綺麗な此処を私に……」

――――下さい。
そう言って柳生は、先程と打って変わり、切なげな表情で仁王に問い掛けた。
ふっ、と吐息を付き、目の前にいる彼とは対照的な顔をして仁王は、突き立てられている指に自身の指を絡ませる。

「さっきまでの勢いは、どないしたんじゃ。そんな言い方せんでも良(え)ぇ」

――――心だけやのぉて、オレの全部……柳生のモンぜよ。

思わぬ大胆な台詞を返えされた柳生は、頬を朱に染め息を飲んで怯んだ。
そんな彼の仕種に、ふふ、と微笑んだ仁王は柔らかな唇を寄せる。
先程とは逆に、柳生が顔を引くとそれを追いかけて……小さな音をさせた口付けを施し、永久の誓いを印し結ぶのだった。






一番綺麗な、私
20101024







すみません、遅くなりましたが柳生誕生日小話です。
実は、後半の絶対させたい箇所を先に仕上げてしまったので、屋上辺りからの下りから最後まで、繋がりが微妙になってしまって…未熟さ全開で申し訳ありません(T_T)



やっぱりベタに「私をプレゼント」なんですが、それを渡す側から聞き出す辺りが仁王なんかなぁ…と思うのでありました。


っつか、毎回書いていて思うんですけど…
うちの柳生さんは、ヘタレ過ぎて大変です。
スイッチ入ったら逆転するんですけどね…苦笑。




駄文、お付き合いありがとうございました…

改めて、はぴばーすでー柳生さんっ☆
仁王くんを召し上がってくださいませ(笑)













この手を、見ていて下さい



この背を、見ていて下さい







この姿を……

どうか見護っていて下さい















「珍しいですね。あなたが落ち着きを失っているとは」



他のメンバーが戦っていると言うのに仁王は一人、コートを離れ控室に閉じ篭っていた。

ふらりと立ち上がった彼の行く先を見ていた柳生は、なかなかと戻らない事が気に掛かり、同じ様にコートを離れ後を追って来たのだ。









仁王は、薄暗いそこに置かれていた長椅子に腰掛け、膝の上に両肘を預けている。少し腰を丸くして、組まれた両手で口元を覆い隠していた。

突然、開かれた控室の扉に驚いき、組んでいた指を解いて立ち上がる。しかし、やって来たのが柳生だと判ると、浮かせた身体を再び長椅子へ沈めてしまう。



「何ぞ用、あるんか?」



苛立ちを隠しもせず、涼やかな視線を更に強め、吐き捨てる様な口調で問うた。

開かれた扉から入り込む光で束の間、明るさを取り戻した控室だったが柳生は、鈍い音をさせて扉を閉じてしまい、元の薄暗い場所へと還してしまう。

酷い口調をする仁王の問いには答えず、腰掛けたままでいる彼の傍まで寄り、腕組みをして上から見下ろす。

眼鏡をして表情が読めず、以外と尊大な態度に見える柳生の姿を仁王は、上目使いで睨む。

しかし、その表情に覇気は無く、どちらかと言えば怯えている――――と表現するのが正しい空気を纏っていた。

揺れている心そのままを映し出す仁王の瞳を柳生は、組んでいた腕を解き掌で隠してしまう。



「……まじないでもする気か、柳生?」



「はい。一人コートへ向かう仁王くんが、必ず勝ちますようにと。そして……」

仁王の瞳を隠してしまっている柳生の掌は、ゆるりとした動きで下へと降ろすと共に、瞼も閉じさせてしまう。



「あなたの背中は、私が護る……と、祈りを捧げます」



そう告げると柳生は、目を閉じたままでいる仁王の、ラケットを持つ手を両の手で優しく包み込んだ。

その中にある、震えて少し冷たさを帯びる指先へ顔を寄せ、ふっ、と息を吹き掛けた。

今まで緊張の余り動かせないでいた指先が、柳生の息吹を受けて綻んだのだろう。熱を取り戻した五指を強く握り仁王は、瞼を開いて瞳に光を取り戻す。

不敵な笑みを口元に、鋭い眼光を目元に宿した仁王雅治が――――柳生の目の前に舞い降りた。



「お前さんが護ってくれるんなら大丈夫じゃ……俺は、上に行ける」



腰掛けた長椅子から立ち上がった仁王は、柳生に寄り添い『頼むぜよ』と背中を預けるのだった。















君のうしろ

20100720















対不二戦前の心境なぞを書いてみました。





今まで背中を護っていてくれた柳生の居ないシングルスでの仁王は、こんな心境など無いだろうと思いますけど……そんな『一面』もあって良いかと書いてみました。

もちろん、今まで彼の背中を見てきた柳生は、すぐさま察するんだろうなぁ……とか考えた訳です。









へたれ仁王でスミマセン~汗。


















教室の片隅で

丸く在る影

ひとつ



幸せそうに

穏やかな寝顔



オレンジの中へ

融けてゆく















――――また仁王は居ないの?

幸村の溜息混じりの呟きに柳生は、眼鏡に指先を添えて頷いた。

何処へ行ったのかと誰に聞いても、一様に知らない、との答えだった。



「頼みの綱の柳生も知らないのなら……どうする事も出来ないよね」



「お役に立てなくて、すみません」





すっかりダブルスを組んでからと言うもの、仁王と対になっている彼が謝る。

そんなつもりで言ったのではないと幸村は、手を顔の前で振ってゴメン、と謝った。



「しかし、最近ずっと……ですよね」



「うん……どうしたんだろう」



飄々としているからこそ内面が見えなさ過ぎて困る。

二人は、ここには居ない仁王に向け、同時に溜息を吐いたのだった。







***







――――あれは……仁王くんでは在りませんか?



部活を終えた柳生は、忘れ物をしたと言い、皆と別れて一人、教室へと戻って来ていた。

すると、クラスの違う仁王が、彼の席を陣取り顔を俯せにしていた。両腕を枕がわりにして、居眠っている様子だった。

誰も居ない教室に一人、窓の外から零れて来るオレンジ色の光りに包まれて、白に近い銀の髪をその色に染めていた。

閉じられていた扉を、些細な音をもさせない様に注意を払って開いて、自分の席へと寄って行く。

伏せている仁王は、穏やかな寝息に合わせて髪を揺らせ、肩を上下に揺らしていた。



「……仁王くん?」



吐息の中に混ぜて彼の名を呼び、優しい動きを持って眠っている彼の肩に指を添えた。

一度、二度……と、肌の張りを確かめる様に指を沈める。しかし、些細な揺さ振りでは目覚めずに仁王は、少し愚図り伏せていた顔を半分だけ見せた。

彼の寝顔など見たことが無いと、思わず見惚れて釘付けられてしまう。

風に揺れる銀髪で目元に影を落とし、長めの睫毛に彩られた二重の瞳は閉じられている。

元々シャープな顎のラインは、窓から入り込んでいる陽光を映して柔らかさを生み、穏やかさを強調していた。

寝息を吐く唇は、指先が一つ入るくらいに薄く開かれていて、一際目立つ紅をしていた。

仁王の寝顔へ引き寄せられて行く柳生は、覗き込んで息を飲む。

紳士と呼ばれている彼にしては少々、はしたない行動たが押さえることが出来なかった。



「暫し……目覚めないでいて……下さい」



柳生は、仁王の顎に四つの指を添わせ少し上向かせる。そして、残していた親指の爪先を、色濃い紅をして薄く開いた唇へと差し込むのだった。

熱を持って紅くしているのか仁王の唇は、触れた爪先が焼けてしまうくらいの温度をしていた。その熱さに、全てを飲み込めず艶を含んだ息を零して、身体を震わせるのだった。



「……っ!!」



「……狡いぜよ。起きてる時にしんしゃい」



仁王は切れ長の瞳を開き、自身の口に含まされた彼の親指を甘噛みして、逃げてしまわないように捕まえた。

柳生が此処へ戻って来るよう密やかに事を起こして、待ち構えていた日々は今日で終わりを告げる。

なかなかと自分に触れて来ない事に焦れた仁王が、待って待って待ち続けて漸く柳生から触れてくれたのだ。

絶対に離してやるものか、と手首を掴んで更に深く指を食んでやる仁王だった。



「そんな事を私にして……良いのですか?」



「当たり前じゃ。お前さんのだから出来るナリよ……」



「……自惚れてしまいそうですよ、仁王くん」



「えぇぜよ……」



――――自惚れんしゃい、柳生。





仁王の言の葉に、彼の好きにさせていた親指を口内から優しく引き抜く。
上向いたままに瞳を揺らす仁王の、露に濡れて色めき立つ唇へそっ、と触れるだけの口吻を柳生は捧げるのだった。









――――深くなるオレンジ色の中、二人は一つに……溶けて行く。

















融点

20100707















あれ……

おかしい、非常にオカシイ。

こんなに色っぽい話になるつもりは一切無かったのに……何ですか(笑)









ま、いっか……七夕だから←どんな言い訳やねん(爆)



仁王は二人きりになりたくて、罠張って柳生を待っていたんだけど、思っていた以上の事を彼にしてやられたので……倍返ししたら更に返されるという、堂々巡り的になりました。書いているうちに。苦笑。





本当は……

タヌキ寝入り仁王に柳生がチュ☆して終わる筈だったのに、何これ(笑)







とりあえず指先は、色っぽいアイテムでした……













こんな82ですが(82に見えないんだよな~悲しいことに(T_T))、少しでも楽しんでいただければ幸です。

駄文、お付き合いの程、ありがとうございました!!











もう、言い訳もメタメタでスミマセン(T_T)






















あなたの世界に触れたいと思った。

あなたの心に触れたいと思った。

あなたの事をもっと知りたいと……

ぼくは身体の全てで思った。













『春』と言う季節は、どうしてこうも眠気を誘うのだろうか。

手にした本を見つめて柳生は溜息を一つ、頭上から舞い降りてくる桜の花弁に吹き掛けていた。

長い時間待ち続け、漸く図書館から借りられた本ではあったが、なかなかと読み進めず、更には眠気にも阻まれて遅々としていた。

残りのページは本全体の約半分、しかし無情にも返却期限が明日に迫っていた。



「致し方ありません。一度返却して、次の予約を取るとしましょう」



楽しみにしていた本ではあったが、何故か読み進める高揚感が生まれずに柳生は、更に溜息を重ねる。

風に舞う桜達もその言葉を後押ししているのか、より一層にふわりふわり、と柳生の目の前に落ちて来て眠気を誘う。

開いたままのページに降り積もる花弁を吐息で空へと還し、静かに本を閉じて別れを告げる。



「降参です。また次に会いましょう……アデュー」



『紳士』と呼ばれているには珍しく、誰彼通るかとも知れないこの場所で柳生は、噛み殺さない欠伸をして見せていた。



「此処で読書に耽ろうとしていたのが、間違いだったのでしょうか?」



この学校へ入学したての頃、柳生が見付けた『お気に入り』の桜の袂に設らえられたベンチに深く腰掛けたまま、淡い春霞を纏った天を見上げて……誰も答えない問いを放つ。











唯、春の眠気に誘われているだけでは無い。

此処には強く想う人の影が桜と共に在り、風と戯れている花弁に映し出されていたからだった。

手を伸ばした柳生は、揺れている桜を掬い上げようとする。しかしそれは、指の間をいとも容易く擦り抜けて行った。



「あの人と良く似ていますね。私には……捕まえる事が出来ないのでしょうか?」



空だけを握り締めた手を胸元へ引き寄せ、眼鏡の奥にある瞳を切ない彩に染めて一人、出口の見えない想いを心の中に、水色と桜色の世界を見つめていた。











君への想い、花に乗せて。

20100524













春先に書いていた82。

後に続く文章があるのですが、一旦ココで締めました。

柳生の、彼への対する想い、ここに……っつ感じで!



私は見たことが(聞いたこと)無いのですが、アナザーストーリと言うものがあると話を聞きました。

内容も教えてもらったんですが、そちらを元に想像してみました。







柳生比呂士の心を掴んで離さない……仁王雅治と言う存在を感じて頂ければ幸いです。

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