うっかり出戻りのテニプリblog。
立海→82と真幸。
ルド→赤観。
呟きとSS、ひょっこり絵。
基本は、マンガとゲーム。
* Ad * * Wr *
以前から、菓子作りが得意だと話していたブン太だったが、まさか……
「どー見てもこりゃ……ウエディングケーキだろっ?!」
「でも、お祝いなんだからさぁ……でっかい方が良いだろいっ!!」
ブン太の部屋に通されたジャッカルは、机の上にどっかりと乗った真っ白な物体に慌てふためいた。
ブン太の頭の中には、大きなケーキとウエディングケーキはイコールで結ばれていたようだった。
誕生日に食べさせようと頑張って製作したそのケーキは、一人では絶対に食べ切る事が不可能なくらいの大きさで、きっと便乗してブン太も一緒に食べるつもりで作ったのだろう。
しかし……それにしては大き過ぎる。
一体、これを作るのに何時間費やしたんだ? とジャッカルは問い掛けた。
「えーっと……昨日の夜からスポンジ焼いて……気付いたら朝だった」
遅刻した理由が良く判った、とジャッカルは溜息吐いて項垂れる。
寝癖だらけの髪を直す振りして照れを隠しているブン太は、目の前で呆れた風体をしている彼の手を握り締めた。
「はっ……早く食おうぜっ!!」
「お……おうっ……」
たくさんの色とりどりの果物に飾られた純白のケーキ。その真ん中にはチョコレートで作られたプレートの上には、可愛らしい文字でジャッカルの名入りで祝いの台詞が書き記されていた。
食べてしまうのが勿体ないブン太の力作へ、傷を付けるのは如何なものかとジャッカルは、掴まれナイフを持たされた手を振りほどいてしまう。
「何でだよーっ!! ジャッカルと一緒に食う為に、頑張って作ったっつーのにっ!!」
「勿体ないっつーかよぉ……これにナイフ入れたらなぁ……」
――――ブン太と結婚するみてぇじゃん。
言った側から顔を真っ赤にしてしまったジャッカルは、バツが悪いのかそっぽを向いてしまう。
ブン太もその言葉を聞き、彼に負けないくらいに顔を赤くしてしまった。作ったケーキの思惑が、ちゃんとジャッカルに伝わっていた事が嬉しいと感じ、胸の中が優しい熱で埋め尽くされて行く。
「じゃ…さ、結婚しとこうぜぃ」
「……本気かよ?!」
「あったり前じゃんっ!!」
――――俺が相手じゃ、嫌なのかよ!!
好き過ぎて、愛おし過ぎて仕方ない『丸井ブン太』と言う存在に、そのような挑発的な事を言われてしまった。
一瞬、耳を疑ったがジャッカルは、ナイフを握らされている手にブン太の白い手を乗せる。そして、その上から褐色した肌の手を更に重ね合わせた。
「共同作業と行くか」
「うんっ!!」
二人は、顔を見合わせて笑い合うと、手にしたナイフをゆっくりとケーキへと差し込んで行った。
ありがとう。
その意味を込めて……ブン太の柔らかな頬へジャッカルは、触れるだけの優しいキスを贈った。
はなよめさんと、はなむこさん。
20101127
……こんのバカップルめがっ!!
って、書いたの私なんですけどっ!!
そんなこんなで、ジャッカル誕生日小話のおまけ……です。
ケーキ作って食わせる……のが本当のおまけ、だったのに……なんか式を挙げてらっしゃるんですが?!
いやぁ~
下書きが無いと横道逸れまくってますな~(笑)
そんな予測不可能な桜岡の作業でございました。←アカンがな!!
でもでも、ブンちゃんがケーキ作ってジャッカルにプレゼントするってのは、最初の筋だからブレてない…はずだ!!(言い張ったよ、この女!!)
しかし、こんな可愛らしい事を出来るのは、この二人しか無いですよね~なんて思いつつ、おまけ話を締めたいと思います。
毎回ではありますが…
駄文お付き合いの程、ありがとうございました!
少しでも楽しんで頂けたなら幸いです☆
君の大好きなものと、君が大好きな人と。
僕が大好きなものと、僕が大好きな人と。
共に在ることの……幸せ。
人を誘っておいて遅刻するとは、ブン太らしい。
ジャッカルは、呼び出された待ち合わせ場所に佇み、そう呟いた。
秋暮れ行く青空へ、ぽっかり浮かんでいる羊雲を数えながら、まだ来ない待ち人を待つ。
家が近所なのだから一緒に行けば良いものを、何故かそれをブン太は却下した。
「こんな事になるんだったら、家から待ち合わせすりゃ良かったのに……」
待てども、待てども、待ち人来たらず。
ジャッカルは、このまま待ち続けていたら日が傾いてしまうと思い、ブン太の家へと電話を入れる。
携帯にすれば直接話が出来るものを、虫の知らせか自宅の方へと連絡をした。
『ジャッカルにぃちゃん?』
「おお。 ブン太……家にいるか?」
『うん! 部屋で寝てるよ!!』
────は?!
呼び出した張本人が、何故、家で寝ている?!
電話に出てくれたブン太の弟に、これから家に行く旨を伝えながらジャッカルの足は走り出していた。
**
ブン太の家へと辿り着いたジャッカルが呼び鈴を鳴らそうとした時、玄関扉が勢い良く開き、同じ勢いで赤い髪をしたブン太が飛び出してきた。
「何で、起こさねぇんだよっ!!」
「だって……あ、ジャッカルにぃちゃん!!」
「よぉ、起きてたか」
寝起きを象徴している荒れ放題の髪に、皺の寄ってしまったシャツでボロボロになっているブン太は、両手をジーンズのポケットに突っ込み外壁にもたれ掛かっているジャッカルへ両手を合わせて謝る。
呼び出しておいての失態に、かなり反省している彼は、平謝りで許しを請う。
普段ならば、もっと軽く……それこそ反省の色もそこそこに謝るのだが、今日に限っては涙目になっていた。
「そんなに謝らなくても……」
「でもよっ!! 俺から呼び出したのにさ……寝坊しちまったし……」
「まぁ良いじゃん。こうやって会えたんだからさ。で、何処か行くのか?」
ブン太の小さな弟達に懐かれているジャッカルは、最初の勢いを無くして俯いてしまったブン太の、綺麗な紅色した髪をくしゃり、と掻き混ぜて笑いかけた。
「兄ちゃん、出掛けてくっから留守番、頼むぜぃ」
「えーっ!! お母さん居ないのにっ?!」
もうすぐ帰ってくるし、二人だから大丈夫だろうと兄のブン太は、二人の弟を言いくるめる。しかし弟達は、駄々をこねてしまう。
そんな兄弟のやり取りを見ていたジャッカルは、ブン太の肩を抱いて玄関扉を開いた。
「何やってんだよっ!! 出掛けるって行ったろぃ!!」
「チビ達置いてまで出掛ける必要あるのか?」
「だって……だって……今日……は……」
大好きなジャッカルの誕生日だから、二人きりで出掛けたかったのだ――――と。
ブン太は、ボロボロと涙を流す。回りに弟達が居るのだからとジャッカルは、羽織っていたパーカーを、泣き顔を覆い隠す様にブン太の頭から掛けた。
「ずっと一緒に居るんだからよ……誕生日もこれっきりじゃねぇし……」
――――今、ブン太と一緒に居られるだけで十分、祝ってもらってる。
ぐず、と涙をシャツの袖で拭っているブン太の肩を抱いたジャッカルは、彼の弟達と一緒に家の中へ入るのだった。
Pleasure that is both(共にある喜び)
20101124
これ…すみません、続きます。おまけ有ります。汗。
ひとまず、ジャッカル誕生日小話でございます☆
日にち掛かるわ、続くわで申し訳ありません!!
どーも、まだまだ性格掴めてなくて『こんなん、ちゃうわいっ!』て叱られるかも…ですが、目一杯の頑張りです(T_T)
ジャッカル、男前すぎ?ブンちゃん泣くかな?とか模索しましたが…ともあれ、二人で居る事の幸せ!を書いてみました。
チビ達居ますが…はは。
おまけで頑張ります…はい。
ともあれ、ジャッカル誕生日おめでとうです~
ブンちゃんからプレゼントいっぱい貰ってください☆
何時しか降り始めた雨の所為で部活が中止になり、放課後の時間を持て余していた丸井ブン太は、家庭科室へとやって来ていた。
無類の甘党、特に菓子は作るのも食べるのも大好きだと自負する彼は、本日の家庭科部が調理実習をすると言う情報を手に入れていた。
その情報をもとに、菓子の甘い香りに誘われて実習室へやって来た。
中を見てみれば、数名の女子生徒が一つのテーブルを囲み、思案している雰囲気の所へ出合わした。
「丸井君、ちょうど良いところに!!」
こっちこっち、とドアの隙間から顔を覗かせていた丸井に気付いた一人の女子生徒が、入ってきて欲しいと手招きする。
「ここ、教えて欲しいんだけど頼める?」
「んー……任せろぃ!」
テキストを指差し質問された項目に目を通す丸井は、楽勝だと言い手早く用意して貰ったエプロンを身に付ける。
手慣れた動きで問題を解決して行く彼へ、周りを取り囲んでいる女子生徒達は拍手をして称えるのだった。
***
その後。
作った物を食べながらの反省会をする女子の中へ一人混じっていた丸井は、特に浮くわけでも無く、どちらかと言えば馴染んでしっくりしていた。
楽しそうに菓子談義に花を咲かせていたが、ふと、時計に目をやり慌ててエプロンを外し出す。
「うおっ!こんな時間じゃん!!やべっ!!」
――――楽しかったぜぃ!
そう言って丸井は、エプロンを投げ渡すと家庭科室を飛び出した。
余りの早さで呆気に取られる女子生徒達も時計を見、何処かへと走り去った彼に同調して片付けを始めるのだった。
***
「委員会出てる間に止めば良かったのによ……」
まだ降り続いている雨にジャッカル・桑原は、天を仰いで額に手を翳した。
時間が経つ程に、小雨にはなってきていたが、それでも傘が無ければ帰るには厳しい状況だった。
肝心な物を持たないジャッカルは、濡れて帰る覚悟を決め走りだそうとする。
「待て、待てっ、ジャッカルッ!!」
一目で分かる褐色の肌を持つ彼を見付けた丸井は、その名を叫びながら廊下を全速力で走ってきた。
スプリンターの様に両手を地面に付け、上体を起こした所で呼び止める丸井の声が耳に届く。
ジャッカルは、勢いを相殺出来ず、コミカルな動きで前のめりに倒れ込んでてしまった。
「いきなり何だよ!!」
「悪りぃ!ほら、これで許してくれぃ!!」
駆け寄ってきた丸井は、まだ廊下の冷たさと戯れているジャッカルの傍で腰を下ろし、手にした傘を見せて謝った。
強かに打ってしまった鼻頭を、痛みを紛らわせる様に撫でながら身体を起こす。
目の前で無邪気な笑顔をしている丸井の謝罪に、その紅くある髪をくしゃりと掻き混ぜ返事を返す。
「お前、真田にどやされるぞ」
「何で?」
ジャッカルの口から降って出た副部長の名に小首を傾げる丸井に、自覚が無いのかと彼の口元を指差し溜息を吐いた。
指摘された箇所を触ってみれば、先ほど食べた菓子の破片がぱらぱらと落ちてきた。
バツの悪い顔をして、唇に人差し指を添えた丸井は、黙っていてくれとジャッカルへ合図をだす。すると、言うだろう事が判っていたか、先程と同じ様に了解したと彼の髪をくしゃり、掻き混ぜた。
「さっすが、判ってるじゃん!真田に見付かったら、煩いもんなぁ……」
「はいはい。じゃ、帰ろうぜ」
髪を触られて擽ったいのか、はたまた自分の事を判ってくれているのが嬉しいのか丸井は、幼い表情で笑うとジャッカルに抱き付いた。
それをも良しとする彼は、丸井が手にしている傘をやんわりと取り、開いて花を咲かせた。
「早く帰ろうぜ」
「う……うん……」
差し出された手の平と、向日葵色の笑顔に心を射たれた丸井は、傘の中で自分を待っているジャッカルの背中へ、大好きだと言う気持ちと一緒にダイブするのだった。
お菓子も、彼も。
20100502
題付けが難しいなぁ~。
お菓子以上に好きなのはジャッカルなんだけど、でも、どっちも譲れないので…こんな題。
センスZEROなんは、よく判ってます。苦笑。
思っていた方向には持っていけなかったんですが、ジャッカルが背負ってブン太を連れて帰る辺り(触りですが)が出てれば良いかと。
俺様なクセして、結局の所はジャッカルにしてやられているブン太は、恥ずかしがり屋さんだと可愛いと思ってます。
この後、背中から降りないブン太を、そのままジャッカルは担いで帰ります、雨の中(笑)
実は委員会終わるの…待っていたのは内緒の話です。
真幸と同じで、相合傘っす…ふふっ。
駄文ではございましが、お付き合いの程、ありがとうございました!!
勝手に雨シリーズ、これにて終了~
春、穏やかなある日の午後の事。
「誕生日おめでとさん!」
「おめでとうございます、丸井くん!!」
テニス部のレギュラー・柳生比呂士と仁王雅治の手厚い、そして手荒い祝福を受けているのは、紅い髪をした小柄な丸井ブン太だった。
わざと乱して紅い髪をセットしていたのに、過剰な仁王の祝いの所為で更に乱れ飛んでしまい、酷い有様になっていた。
「これでブン太も一個、歳食ったき、大きぃなれるかも知れんの」
「止めろぃ!!ちっちゃくって悪かったな!!」
――――祝ってくれてもお前になんか絶対、礼、言ってやんねぇかんな!!
仁王が伸ばしてくる手のひらを叩き倒して、これ以上髪を乱されてしまわない様に必死で抵抗する。
「いい加減にしなさい、仁王くん。これを……丸井くんに。我々からのプレゼントです」
今日の主役に対して悪戯をし続けていた仁王の、一束に結ばれている銀色の髪を引っ張った柳生は、丸井から彼を引き剥がす。そして、用意していた誕生日プレゼントとケーキを目の前に並べた。
その品々は、部活をする上では必要なタオルやテニスの用品、そして、甘いものに目が無い丸井が大喜びする菓子の山だった。
「本当は、真田くんに止められていたのですが……やはりこれは、あなたへのプレゼントで外せないでしょう」
目を爛々とさせてプレゼントの山、特に菓子の辺りをみつめていた丸井は、柳生の口から出た真田弦一郎の名に顔を引きつらせる。
「心配せんでえぇ。幸村を使(つこ)ぉたんじゃ、大丈夫ナリよ」
「それでは、私達は先に行きますが、丸井くんも出来るだけ早くコートへ来て下さいね。柳くんと切原くんは、当番でもうコートに行っています。他の皆さんは、遅刻して来るそうですので……」
「おぅ。ありがとな、二人とも!!」
甘いものばかり食うな、と真田に口酸っぱく言われている丸井だが、こればかりは止められずにいた。
それを、先ほどまで髪の毛に悪戯していた仁王が、幸村精市を使い真田に口出しさせない様、先手を打ってくれていたのだ。
部室を出て行く柳生と、自分を苛めていた仁王に改めて礼を言う丸井だった。
**
「……にしても仁王の奴、めちゃくちゃにしやがって!!」
ロッカーの扉裏に付けられている鏡を覗き込み、掻き乱されて髪を愚痴りながら整えていると、遅れてきた男が一人、部室のドアを開けた。
「おっ、ブン太。まだ行ってなかったのか?」
「うん……あ、ジャッカル!髪、直してくれぃ!!」
「は……俺?!」
突然、髪を直せと言われて驚いている、褐色の肌をしたジャッカル・桑原は、部室の入り口で呆気に取られていた。
そんな彼へ、早く早く、と急かす様に頭を傾けて見せる。
一旦スイッチが入ると丸井は、梃子でも動かないのを知っている……面倒見の良いジャッカルだった。
「はいはい。ほら、真っすぐ顔を上げろ」
「格好良くセットしてくれぃ!」
丸井のリクエストに応えるように、大きな手の平と長い指で地肌を撫で、髪を梳いて行く。
その動きに擽られて気持ち良いのか、目を細めてほわん、とした緩い表情を丸井はして見せた。
「ほら、出来たぞ。ブン太……」
「ん、何?」
「誕生日、おめでとうな」
「……あ、ありがと……」
整えた髪をぽん、と叩いてジャッカルは、改めて丸井の誕生日を祝う言葉を伝える。
常夏を思わせる眩しい笑顔に乗せられたその台詞を聞いた丸井は、上目遣いに彼を見、恥ずかしそうに頬を紅く染めていた。
先ほどとは打って変わった、可愛らしい表情と仕草に思わず……丸井の小さな身体を抱き締めてしまうジャッカルだった。
***
「ねぇ……どうする?」
「けしからん、と言うところだが、誕生日だ……今日は、大目に見てやれ」
「うん。真田が言うから……そうする」
遅れてきた真田と幸村は、甘ったるい部室の雰囲気に踏み込む事が出来ず、ドアに背中を預けて時を持て余していた。
A Sweet Birthday(甘い誕生日)
20100420
やった、全消ししたの打ち直しに成功!
誕生日おめでとう~ブン太!!
このブログでは、初めてのキャラ誕生日SS。
幸ちゃんのは本で書いたので…すみません~!!
こんなジャブンで大丈夫かしら…とハラハラしながらの小咄でした。
俺様だけど彼の前では可愛らしいブン太と、そんなブン太をお守りしているジャッカルが良いな~と思ってます。
82は、書く練習で出てきてもらいましたが、思いの外、動いてくれて良かった~
亭主関白な真田に寄り添ってる幸村も書けて幸せだったり…
男前な台詞も言わせられた♪
柳と赤也…すまん!時間の関係でコートへ行っちゃってます(涙)
をいっ、これブン太の誕生日の話だぞ(汗)
とりあえず立海Memberでブン太のお祝いをしてみました…なジャブンでございました!!
さぁ、CD予約したの取りに行くぞ~
(行けるかな…仕事が…(涙))
改めて、ブン太お誕生日おめでとう~♪
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
以前から、菓子作りが得意だと話していたブン太だったが、まさか……
「どー見てもこりゃ……ウエディングケーキだろっ?!」
「でも、お祝いなんだからさぁ……でっかい方が良いだろいっ!!」
ブン太の部屋に通されたジャッカルは、机の上にどっかりと乗った真っ白な物体に慌てふためいた。
ブン太の頭の中には、大きなケーキとウエディングケーキはイコールで結ばれていたようだった。
誕生日に食べさせようと頑張って製作したそのケーキは、一人では絶対に食べ切る事が不可能なくらいの大きさで、きっと便乗してブン太も一緒に食べるつもりで作ったのだろう。
しかし……それにしては大き過ぎる。
一体、これを作るのに何時間費やしたんだ? とジャッカルは問い掛けた。
「えーっと……昨日の夜からスポンジ焼いて……気付いたら朝だった」
遅刻した理由が良く判った、とジャッカルは溜息吐いて項垂れる。
寝癖だらけの髪を直す振りして照れを隠しているブン太は、目の前で呆れた風体をしている彼の手を握り締めた。
「はっ……早く食おうぜっ!!」
「お……おうっ……」
たくさんの色とりどりの果物に飾られた純白のケーキ。その真ん中にはチョコレートで作られたプレートの上には、可愛らしい文字でジャッカルの名入りで祝いの台詞が書き記されていた。
食べてしまうのが勿体ないブン太の力作へ、傷を付けるのは如何なものかとジャッカルは、掴まれナイフを持たされた手を振りほどいてしまう。
「何でだよーっ!! ジャッカルと一緒に食う為に、頑張って作ったっつーのにっ!!」
「勿体ないっつーかよぉ……これにナイフ入れたらなぁ……」
――――ブン太と結婚するみてぇじゃん。
言った側から顔を真っ赤にしてしまったジャッカルは、バツが悪いのかそっぽを向いてしまう。
ブン太もその言葉を聞き、彼に負けないくらいに顔を赤くしてしまった。作ったケーキの思惑が、ちゃんとジャッカルに伝わっていた事が嬉しいと感じ、胸の中が優しい熱で埋め尽くされて行く。
「じゃ…さ、結婚しとこうぜぃ」
「……本気かよ?!」
「あったり前じゃんっ!!」
――――俺が相手じゃ、嫌なのかよ!!
好き過ぎて、愛おし過ぎて仕方ない『丸井ブン太』と言う存在に、そのような挑発的な事を言われてしまった。
一瞬、耳を疑ったがジャッカルは、ナイフを握らされている手にブン太の白い手を乗せる。そして、その上から褐色した肌の手を更に重ね合わせた。
「共同作業と行くか」
「うんっ!!」
二人は、顔を見合わせて笑い合うと、手にしたナイフをゆっくりとケーキへと差し込んで行った。
ありがとう。
その意味を込めて……ブン太の柔らかな頬へジャッカルは、触れるだけの優しいキスを贈った。
はなよめさんと、はなむこさん。
20101127
……こんのバカップルめがっ!!
って、書いたの私なんですけどっ!!
そんなこんなで、ジャッカル誕生日小話のおまけ……です。
ケーキ作って食わせる……のが本当のおまけ、だったのに……なんか式を挙げてらっしゃるんですが?!
いやぁ~
下書きが無いと横道逸れまくってますな~(笑)
そんな予測不可能な桜岡の作業でございました。←アカンがな!!
でもでも、ブンちゃんがケーキ作ってジャッカルにプレゼントするってのは、最初の筋だからブレてない…はずだ!!(言い張ったよ、この女!!)
しかし、こんな可愛らしい事を出来るのは、この二人しか無いですよね~なんて思いつつ、おまけ話を締めたいと思います。
毎回ではありますが…
駄文お付き合いの程、ありがとうございました!
少しでも楽しんで頂けたなら幸いです☆
PR
君の大好きなものと、君が大好きな人と。
僕が大好きなものと、僕が大好きな人と。
共に在ることの……幸せ。
人を誘っておいて遅刻するとは、ブン太らしい。
ジャッカルは、呼び出された待ち合わせ場所に佇み、そう呟いた。
秋暮れ行く青空へ、ぽっかり浮かんでいる羊雲を数えながら、まだ来ない待ち人を待つ。
家が近所なのだから一緒に行けば良いものを、何故かそれをブン太は却下した。
「こんな事になるんだったら、家から待ち合わせすりゃ良かったのに……」
待てども、待てども、待ち人来たらず。
ジャッカルは、このまま待ち続けていたら日が傾いてしまうと思い、ブン太の家へと電話を入れる。
携帯にすれば直接話が出来るものを、虫の知らせか自宅の方へと連絡をした。
『ジャッカルにぃちゃん?』
「おお。 ブン太……家にいるか?」
『うん! 部屋で寝てるよ!!』
────は?!
呼び出した張本人が、何故、家で寝ている?!
電話に出てくれたブン太の弟に、これから家に行く旨を伝えながらジャッカルの足は走り出していた。
**
ブン太の家へと辿り着いたジャッカルが呼び鈴を鳴らそうとした時、玄関扉が勢い良く開き、同じ勢いで赤い髪をしたブン太が飛び出してきた。
「何で、起こさねぇんだよっ!!」
「だって……あ、ジャッカルにぃちゃん!!」
「よぉ、起きてたか」
寝起きを象徴している荒れ放題の髪に、皺の寄ってしまったシャツでボロボロになっているブン太は、両手をジーンズのポケットに突っ込み外壁にもたれ掛かっているジャッカルへ両手を合わせて謝る。
呼び出しておいての失態に、かなり反省している彼は、平謝りで許しを請う。
普段ならば、もっと軽く……それこそ反省の色もそこそこに謝るのだが、今日に限っては涙目になっていた。
「そんなに謝らなくても……」
「でもよっ!! 俺から呼び出したのにさ……寝坊しちまったし……」
「まぁ良いじゃん。こうやって会えたんだからさ。で、何処か行くのか?」
ブン太の小さな弟達に懐かれているジャッカルは、最初の勢いを無くして俯いてしまったブン太の、綺麗な紅色した髪をくしゃり、と掻き混ぜて笑いかけた。
「兄ちゃん、出掛けてくっから留守番、頼むぜぃ」
「えーっ!! お母さん居ないのにっ?!」
もうすぐ帰ってくるし、二人だから大丈夫だろうと兄のブン太は、二人の弟を言いくるめる。しかし弟達は、駄々をこねてしまう。
そんな兄弟のやり取りを見ていたジャッカルは、ブン太の肩を抱いて玄関扉を開いた。
「何やってんだよっ!! 出掛けるって行ったろぃ!!」
「チビ達置いてまで出掛ける必要あるのか?」
「だって……だって……今日……は……」
大好きなジャッカルの誕生日だから、二人きりで出掛けたかったのだ――――と。
ブン太は、ボロボロと涙を流す。回りに弟達が居るのだからとジャッカルは、羽織っていたパーカーを、泣き顔を覆い隠す様にブン太の頭から掛けた。
「ずっと一緒に居るんだからよ……誕生日もこれっきりじゃねぇし……」
――――今、ブン太と一緒に居られるだけで十分、祝ってもらってる。
ぐず、と涙をシャツの袖で拭っているブン太の肩を抱いたジャッカルは、彼の弟達と一緒に家の中へ入るのだった。
Pleasure that is both(共にある喜び)
20101124
これ…すみません、続きます。おまけ有ります。汗。
ひとまず、ジャッカル誕生日小話でございます☆
日にち掛かるわ、続くわで申し訳ありません!!
どーも、まだまだ性格掴めてなくて『こんなん、ちゃうわいっ!』て叱られるかも…ですが、目一杯の頑張りです(T_T)
ジャッカル、男前すぎ?ブンちゃん泣くかな?とか模索しましたが…ともあれ、二人で居る事の幸せ!を書いてみました。
チビ達居ますが…はは。
おまけで頑張ります…はい。
ともあれ、ジャッカル誕生日おめでとうです~
ブンちゃんからプレゼントいっぱい貰ってください☆
何時しか降り始めた雨の所為で部活が中止になり、放課後の時間を持て余していた丸井ブン太は、家庭科室へとやって来ていた。
無類の甘党、特に菓子は作るのも食べるのも大好きだと自負する彼は、本日の家庭科部が調理実習をすると言う情報を手に入れていた。
その情報をもとに、菓子の甘い香りに誘われて実習室へやって来た。
中を見てみれば、数名の女子生徒が一つのテーブルを囲み、思案している雰囲気の所へ出合わした。
「丸井君、ちょうど良いところに!!」
こっちこっち、とドアの隙間から顔を覗かせていた丸井に気付いた一人の女子生徒が、入ってきて欲しいと手招きする。
「ここ、教えて欲しいんだけど頼める?」
「んー……任せろぃ!」
テキストを指差し質問された項目に目を通す丸井は、楽勝だと言い手早く用意して貰ったエプロンを身に付ける。
手慣れた動きで問題を解決して行く彼へ、周りを取り囲んでいる女子生徒達は拍手をして称えるのだった。
***
その後。
作った物を食べながらの反省会をする女子の中へ一人混じっていた丸井は、特に浮くわけでも無く、どちらかと言えば馴染んでしっくりしていた。
楽しそうに菓子談義に花を咲かせていたが、ふと、時計に目をやり慌ててエプロンを外し出す。
「うおっ!こんな時間じゃん!!やべっ!!」
――――楽しかったぜぃ!
そう言って丸井は、エプロンを投げ渡すと家庭科室を飛び出した。
余りの早さで呆気に取られる女子生徒達も時計を見、何処かへと走り去った彼に同調して片付けを始めるのだった。
***
「委員会出てる間に止めば良かったのによ……」
まだ降り続いている雨にジャッカル・桑原は、天を仰いで額に手を翳した。
時間が経つ程に、小雨にはなってきていたが、それでも傘が無ければ帰るには厳しい状況だった。
肝心な物を持たないジャッカルは、濡れて帰る覚悟を決め走りだそうとする。
「待て、待てっ、ジャッカルッ!!」
一目で分かる褐色の肌を持つ彼を見付けた丸井は、その名を叫びながら廊下を全速力で走ってきた。
スプリンターの様に両手を地面に付け、上体を起こした所で呼び止める丸井の声が耳に届く。
ジャッカルは、勢いを相殺出来ず、コミカルな動きで前のめりに倒れ込んでてしまった。
「いきなり何だよ!!」
「悪りぃ!ほら、これで許してくれぃ!!」
駆け寄ってきた丸井は、まだ廊下の冷たさと戯れているジャッカルの傍で腰を下ろし、手にした傘を見せて謝った。
強かに打ってしまった鼻頭を、痛みを紛らわせる様に撫でながら身体を起こす。
目の前で無邪気な笑顔をしている丸井の謝罪に、その紅くある髪をくしゃりと掻き混ぜ返事を返す。
「お前、真田にどやされるぞ」
「何で?」
ジャッカルの口から降って出た副部長の名に小首を傾げる丸井に、自覚が無いのかと彼の口元を指差し溜息を吐いた。
指摘された箇所を触ってみれば、先ほど食べた菓子の破片がぱらぱらと落ちてきた。
バツの悪い顔をして、唇に人差し指を添えた丸井は、黙っていてくれとジャッカルへ合図をだす。すると、言うだろう事が判っていたか、先程と同じ様に了解したと彼の髪をくしゃり、掻き混ぜた。
「さっすが、判ってるじゃん!真田に見付かったら、煩いもんなぁ……」
「はいはい。じゃ、帰ろうぜ」
髪を触られて擽ったいのか、はたまた自分の事を判ってくれているのが嬉しいのか丸井は、幼い表情で笑うとジャッカルに抱き付いた。
それをも良しとする彼は、丸井が手にしている傘をやんわりと取り、開いて花を咲かせた。
「早く帰ろうぜ」
「う……うん……」
差し出された手の平と、向日葵色の笑顔に心を射たれた丸井は、傘の中で自分を待っているジャッカルの背中へ、大好きだと言う気持ちと一緒にダイブするのだった。
お菓子も、彼も。
20100502
題付けが難しいなぁ~。
お菓子以上に好きなのはジャッカルなんだけど、でも、どっちも譲れないので…こんな題。
センスZEROなんは、よく判ってます。苦笑。
思っていた方向には持っていけなかったんですが、ジャッカルが背負ってブン太を連れて帰る辺り(触りですが)が出てれば良いかと。
俺様なクセして、結局の所はジャッカルにしてやられているブン太は、恥ずかしがり屋さんだと可愛いと思ってます。
この後、背中から降りないブン太を、そのままジャッカルは担いで帰ります、雨の中(笑)
実は委員会終わるの…待っていたのは内緒の話です。
真幸と同じで、相合傘っす…ふふっ。
駄文ではございましが、お付き合いの程、ありがとうございました!!
勝手に雨シリーズ、これにて終了~
春、穏やかなある日の午後の事。
「誕生日おめでとさん!」
「おめでとうございます、丸井くん!!」
テニス部のレギュラー・柳生比呂士と仁王雅治の手厚い、そして手荒い祝福を受けているのは、紅い髪をした小柄な丸井ブン太だった。
わざと乱して紅い髪をセットしていたのに、過剰な仁王の祝いの所為で更に乱れ飛んでしまい、酷い有様になっていた。
「これでブン太も一個、歳食ったき、大きぃなれるかも知れんの」
「止めろぃ!!ちっちゃくって悪かったな!!」
――――祝ってくれてもお前になんか絶対、礼、言ってやんねぇかんな!!
仁王が伸ばしてくる手のひらを叩き倒して、これ以上髪を乱されてしまわない様に必死で抵抗する。
「いい加減にしなさい、仁王くん。これを……丸井くんに。我々からのプレゼントです」
今日の主役に対して悪戯をし続けていた仁王の、一束に結ばれている銀色の髪を引っ張った柳生は、丸井から彼を引き剥がす。そして、用意していた誕生日プレゼントとケーキを目の前に並べた。
その品々は、部活をする上では必要なタオルやテニスの用品、そして、甘いものに目が無い丸井が大喜びする菓子の山だった。
「本当は、真田くんに止められていたのですが……やはりこれは、あなたへのプレゼントで外せないでしょう」
目を爛々とさせてプレゼントの山、特に菓子の辺りをみつめていた丸井は、柳生の口から出た真田弦一郎の名に顔を引きつらせる。
「心配せんでえぇ。幸村を使(つこ)ぉたんじゃ、大丈夫ナリよ」
「それでは、私達は先に行きますが、丸井くんも出来るだけ早くコートへ来て下さいね。柳くんと切原くんは、当番でもうコートに行っています。他の皆さんは、遅刻して来るそうですので……」
「おぅ。ありがとな、二人とも!!」
甘いものばかり食うな、と真田に口酸っぱく言われている丸井だが、こればかりは止められずにいた。
それを、先ほどまで髪の毛に悪戯していた仁王が、幸村精市を使い真田に口出しさせない様、先手を打ってくれていたのだ。
部室を出て行く柳生と、自分を苛めていた仁王に改めて礼を言う丸井だった。
**
「……にしても仁王の奴、めちゃくちゃにしやがって!!」
ロッカーの扉裏に付けられている鏡を覗き込み、掻き乱されて髪を愚痴りながら整えていると、遅れてきた男が一人、部室のドアを開けた。
「おっ、ブン太。まだ行ってなかったのか?」
「うん……あ、ジャッカル!髪、直してくれぃ!!」
「は……俺?!」
突然、髪を直せと言われて驚いている、褐色の肌をしたジャッカル・桑原は、部室の入り口で呆気に取られていた。
そんな彼へ、早く早く、と急かす様に頭を傾けて見せる。
一旦スイッチが入ると丸井は、梃子でも動かないのを知っている……面倒見の良いジャッカルだった。
「はいはい。ほら、真っすぐ顔を上げろ」
「格好良くセットしてくれぃ!」
丸井のリクエストに応えるように、大きな手の平と長い指で地肌を撫で、髪を梳いて行く。
その動きに擽られて気持ち良いのか、目を細めてほわん、とした緩い表情を丸井はして見せた。
「ほら、出来たぞ。ブン太……」
「ん、何?」
「誕生日、おめでとうな」
「……あ、ありがと……」
整えた髪をぽん、と叩いてジャッカルは、改めて丸井の誕生日を祝う言葉を伝える。
常夏を思わせる眩しい笑顔に乗せられたその台詞を聞いた丸井は、上目遣いに彼を見、恥ずかしそうに頬を紅く染めていた。
先ほどとは打って変わった、可愛らしい表情と仕草に思わず……丸井の小さな身体を抱き締めてしまうジャッカルだった。
***
「ねぇ……どうする?」
「けしからん、と言うところだが、誕生日だ……今日は、大目に見てやれ」
「うん。真田が言うから……そうする」
遅れてきた真田と幸村は、甘ったるい部室の雰囲気に踏み込む事が出来ず、ドアに背中を預けて時を持て余していた。
A Sweet Birthday(甘い誕生日)
20100420
やった、全消ししたの打ち直しに成功!
誕生日おめでとう~ブン太!!
このブログでは、初めてのキャラ誕生日SS。
幸ちゃんのは本で書いたので…すみません~!!
こんなジャブンで大丈夫かしら…とハラハラしながらの小咄でした。
俺様だけど彼の前では可愛らしいブン太と、そんなブン太をお守りしているジャッカルが良いな~と思ってます。
82は、書く練習で出てきてもらいましたが、思いの外、動いてくれて良かった~
亭主関白な真田に寄り添ってる幸村も書けて幸せだったり…
男前な台詞も言わせられた♪
柳と赤也…すまん!時間の関係でコートへ行っちゃってます(涙)
をいっ、これブン太の誕生日の話だぞ(汗)
とりあえず立海Memberでブン太のお祝いをしてみました…なジャブンでございました!!
さぁ、CD予約したの取りに行くぞ~
(行けるかな…仕事が…(涙))
改めて、ブン太お誕生日おめでとう~♪