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うっかり出戻りのテニプリblog。 立海→82と真幸。 ルド→赤観。 呟きとSS、ひょっこり絵。 基本は、マンガとゲーム。
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あなたの世界に触れたいと思った。

あなたの心に触れたいと思った。

あなたの事をもっと知りたいと……

ぼくは身体の全てで思った。













『春』と言う季節は、どうしてこうも眠気を誘うのだろうか。

手にした本を見つめて柳生は溜息を一つ、頭上から舞い降りてくる桜の花弁に吹き掛けていた。

長い時間待ち続け、漸く図書館から借りられた本ではあったが、なかなかと読み進めず、更には眠気にも阻まれて遅々としていた。

残りのページは本全体の約半分、しかし無情にも返却期限が明日に迫っていた。



「致し方ありません。一度返却して、次の予約を取るとしましょう」



楽しみにしていた本ではあったが、何故か読み進める高揚感が生まれずに柳生は、更に溜息を重ねる。

風に舞う桜達もその言葉を後押ししているのか、より一層にふわりふわり、と柳生の目の前に落ちて来て眠気を誘う。

開いたままのページに降り積もる花弁を吐息で空へと還し、静かに本を閉じて別れを告げる。



「降参です。また次に会いましょう……アデュー」



『紳士』と呼ばれているには珍しく、誰彼通るかとも知れないこの場所で柳生は、噛み殺さない欠伸をして見せていた。



「此処で読書に耽ろうとしていたのが、間違いだったのでしょうか?」



この学校へ入学したての頃、柳生が見付けた『お気に入り』の桜の袂に設らえられたベンチに深く腰掛けたまま、淡い春霞を纏った天を見上げて……誰も答えない問いを放つ。











唯、春の眠気に誘われているだけでは無い。

此処には強く想う人の影が桜と共に在り、風と戯れている花弁に映し出されていたからだった。

手を伸ばした柳生は、揺れている桜を掬い上げようとする。しかしそれは、指の間をいとも容易く擦り抜けて行った。



「あの人と良く似ていますね。私には……捕まえる事が出来ないのでしょうか?」



空だけを握り締めた手を胸元へ引き寄せ、眼鏡の奥にある瞳を切ない彩に染めて一人、出口の見えない想いを心の中に、水色と桜色の世界を見つめていた。











君への想い、花に乗せて。

20100524













春先に書いていた82。

後に続く文章があるのですが、一旦ココで締めました。

柳生の、彼への対する想い、ここに……っつ感じで!



私は見たことが(聞いたこと)無いのですが、アナザーストーリと言うものがあると話を聞きました。

内容も教えてもらったんですが、そちらを元に想像してみました。







柳生比呂士の心を掴んで離さない……仁王雅治と言う存在を感じて頂ければ幸いです。

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