うっかり出戻りのテニプリblog。
立海→82と真幸。
ルド→赤観。
呟きとSS、ひょっこり絵。
基本は、マンガとゲーム。
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緑輝くコートの中で、殺気立つ二年生の姿が在る。
切原赤也。
パーマではない、緩やかなウェーブのかかる黒髪から、汗をしたり落として相手に歯向かっていた。
彼の相手をするのは三年生、柳生比呂士。
眼鏡で隠れてしまっている瞳の所為か、周りの人から一歩引いた態度を取られがちだが、常に紳士な態度で相手に接する。
その柳生が、切原に対して……
「……このワカメ野郎がっ!!」
コート中に響く大きな声を上げ、切原が悪魔化してしまう言葉を放ったのだ。
ゆらり、と立ち上がる焔の様に髪を揺らし、全身を紅潮させる。片手で握り潰されたテニスボールを柳生へ翳し、金切り声で笑い立てた。
「後悔しやがれっ!!」
対側に居る柳生は冷静に、眼鏡を指先で支えながら口の端に笑みを浮かばせる。切原のサーブを真っ向から受けると、ラケットの先を向け宣言した。
その柳生の態度に、神経を更に逆なでされた切原は、『やれるものなら、やってみろ』と怒声を上げ、渾身のサーブを放った。
「切原君!! そこに居るのは仁王君ですよ!!」
――――私では、ありませんっ!!
柳生にイリュージョンし、辺り構わず悪戯をしていた仁王を、本物の柳生は追いかけ回していた。
早く捕まえて止めさせなければならないと、必死で後を追っていたのだが、すばしっこい仁王に巻かれ姿を見失っていたのだ。
冷や汗を流しながら色々な場所を見て回っていれ時、テニスコートのある方から切原の絶叫が聞こえてきた。
まさか?!
そう思った刹那、駆け出した柳生は、辿り着いたテニスコートで……自分が悪魔化した切原と対峙していた。
仁王が、切原を……
普段、絶対に言わないであろう柳生の口から(中身は仁王なので平気で言う)、その言葉を聞いた切原は案の定、何時も以上に暴走していた。
「プリッ……なーんじゃ、もう来たんか柳生?」
――――つまらんぜよ。
切原の打ったボールが、凄いスピードで飛んで来ているにもかかわらず、柳生にイリュージョンしていた仁王は、軽口を叩くと共に眼鏡を外して髪を振り乱した。すると、特徴のある銀色した仁王の本来の髪色が現れた。
「はあっ?!」
相手を完全に沈めた、と自負出来るものを、相手コートへ打ち込み意気揚々としていた切原は、柳生から仁王へ変わったのを見て驚き、だらし無く口が開いたままになってしまっていた。
「見抜けんかったお前(まん)が、悪いんじゃ」
飛んで来たボールを軽くいなした仁王の打球は、
「あだっ!!!」
見事、口を開けっ放しにして呆然としていた切原の、額の辺りに強打した。そして、まともに食らってしまい、そのままコートへ倒れ込んだのだった。
***
「見抜けなかった赤也も悪いが……」
「柳君っ!! 全面的に仁王君が、いけないのです!」
「いだだだだっ!! 痛いぜよ、柳生っ!!」
「当たり前です。これは、お仕置きなんですから」
ひと纏めにして結わわれている銀糸の髪を引っ張った柳生は、ついでに減らず口ばかり叩く口元も摘み上げた。
痛さを二倍、柳生から頂戴している仁王は、ここが保健室だと言うことをすっかり忘れ叫び倒した。
「二人とも煩い、出て行けっ!!」
――――明日のメニューで思う存分、仕置きをしてやる。
ぎゃあぎゃあ、と騒いでいる仁王と、その仁王に両手で頬と胸元を押し返され唸っている柳生は、柳の逆鱗触れた。
開眼し、その鋭い眼光で睨み据えられた喧しい二人は、あまりの恐さに震え上がり咄嗟に身体を寄せ合う。ここは保健室、ベッドには切原が眠り続けている。
騒ぎ立てた方が悪いと柳は、仁王と柳生の首根っこを掴んで室外へと放り出す。ばたん、と閉まる扉の音と共に、鍵の掛かる金属音が混じる。
「……明日の部活が怖いぜよ」
「大丈夫ですよ。怒るどころか……寧ろ明日は上機嫌でしょう」
「?」
完全に二人を拒絶した保健室の前で、暫く立ち尽くし扉を見詰めていた。
仁王が自業自得を嘆いたが、柳生は口の端を少しだけ上げて微笑んでいた。
その意味深言葉を吐く眼鏡を掛けた紳士へ、銀髪の詐欺師は小首を傾げて見せる。
「明日が来れば判りますよ」
柳生は仁王の背を押しながら声を立て、中にいる二人の邪魔をしてはいけないと、この場から立ち退いたのだった。
***
コートで打ち返された己の打球を、まともに食らい伸びてしまった切原を、背負っていた仁王とその尻を叩く柳生は、保健室で柳と偶然、出くわす。
事の次第を聞き苦笑いをしていた柳だったが、二人が騒ぎ出したのきっかけに保健室から追い出した。
清々したと額に手をやり、ベッドに沈んだままの切原へ視線を注ぐ。
ユニフォーム姿のままに寝かされている彼の額、ちょうど真ん中辺りに打球を直撃した痕が残っていた。
しっかりとボールの線まで残している辺り、どれほどの勢いで打ち、また打ち返されたのか。
それが当たった瞬間を想像した柳は、込み上げてきた笑いを堪える為に、口元を手で覆い隠す。
柳の笑い声が聞こえたか、夢の最中にある筈の切原が、眉間に皺を寄せて小さな唸り声を上げた。
「許せ、赤也」
「……うぃ……っす……」
この声も届いたのか切原は、返事の様な声を発して柳の方へと寝返りを打つ。その寝顔は、先程のものとは異なり、緩んだ笑顔を浮かべているようだった。
窓から流れて来た風に、ベッドを仕切るカーテンがふわ、と揺れる。
それを掴んだ柳は、切原との二人だけの空間を作るように引き寄せた。
薄い布に浮かび上がる影は腰を折り、ベッドで眠る影に覆い被さるのだった。
「早く目を醒ませ――――赤也」
眠り姫の額に残る痕へ、王子様は目醒めの接吻を落とすのであった。
王子様のKiss
2011003
めっちゃくちゃ時間かかりましたが…
赤也、誕生日おめでとう小話でした!!
って赤也、気絶してるやんか!とのツッコミは勘弁してやってください(笑)
目覚めたら一番に、柳の顔が見れるんだから…ね♪
お手伝いしてくれた82も楽しく書けたし、素敵な(少し気障ですが)柳も書けたから…満足してます。
遅くなりましたが赤也、誕生日おめでとう♪
柳先輩へ思う存分、甘えてみて貰いたいです!!
がんばれ、赤也!!
駄文、お付き合いの程…ありがとうございました。
×
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緑輝くコートの中で、殺気立つ二年生の姿が在る。
切原赤也。
パーマではない、緩やかなウェーブのかかる黒髪から、汗をしたり落として相手に歯向かっていた。
彼の相手をするのは三年生、柳生比呂士。
眼鏡で隠れてしまっている瞳の所為か、周りの人から一歩引いた態度を取られがちだが、常に紳士な態度で相手に接する。
その柳生が、切原に対して……
「……このワカメ野郎がっ!!」
コート中に響く大きな声を上げ、切原が悪魔化してしまう言葉を放ったのだ。
ゆらり、と立ち上がる焔の様に髪を揺らし、全身を紅潮させる。片手で握り潰されたテニスボールを柳生へ翳し、金切り声で笑い立てた。
「後悔しやがれっ!!」
対側に居る柳生は冷静に、眼鏡を指先で支えながら口の端に笑みを浮かばせる。切原のサーブを真っ向から受けると、ラケットの先を向け宣言した。
その柳生の態度に、神経を更に逆なでされた切原は、『やれるものなら、やってみろ』と怒声を上げ、渾身のサーブを放った。
「切原君!! そこに居るのは仁王君ですよ!!」
――――私では、ありませんっ!!
柳生にイリュージョンし、辺り構わず悪戯をしていた仁王を、本物の柳生は追いかけ回していた。
早く捕まえて止めさせなければならないと、必死で後を追っていたのだが、すばしっこい仁王に巻かれ姿を見失っていたのだ。
冷や汗を流しながら色々な場所を見て回っていれ時、テニスコートのある方から切原の絶叫が聞こえてきた。
まさか?!
そう思った刹那、駆け出した柳生は、辿り着いたテニスコートで……自分が悪魔化した切原と対峙していた。
仁王が、切原を……
普段、絶対に言わないであろう柳生の口から(中身は仁王なので平気で言う)、その言葉を聞いた切原は案の定、何時も以上に暴走していた。
「プリッ……なーんじゃ、もう来たんか柳生?」
――――つまらんぜよ。
切原の打ったボールが、凄いスピードで飛んで来ているにもかかわらず、柳生にイリュージョンしていた仁王は、軽口を叩くと共に眼鏡を外して髪を振り乱した。すると、特徴のある銀色した仁王の本来の髪色が現れた。
「はあっ?!」
相手を完全に沈めた、と自負出来るものを、相手コートへ打ち込み意気揚々としていた切原は、柳生から仁王へ変わったのを見て驚き、だらし無く口が開いたままになってしまっていた。
「見抜けんかったお前(まん)が、悪いんじゃ」
飛んで来たボールを軽くいなした仁王の打球は、
「あだっ!!!」
見事、口を開けっ放しにして呆然としていた切原の、額の辺りに強打した。そして、まともに食らってしまい、そのままコートへ倒れ込んだのだった。
***
「見抜けなかった赤也も悪いが……」
「柳君っ!! 全面的に仁王君が、いけないのです!」
「いだだだだっ!! 痛いぜよ、柳生っ!!」
「当たり前です。これは、お仕置きなんですから」
ひと纏めにして結わわれている銀糸の髪を引っ張った柳生は、ついでに減らず口ばかり叩く口元も摘み上げた。
痛さを二倍、柳生から頂戴している仁王は、ここが保健室だと言うことをすっかり忘れ叫び倒した。
「二人とも煩い、出て行けっ!!」
――――明日のメニューで思う存分、仕置きをしてやる。
ぎゃあぎゃあ、と騒いでいる仁王と、その仁王に両手で頬と胸元を押し返され唸っている柳生は、柳の逆鱗触れた。
開眼し、その鋭い眼光で睨み据えられた喧しい二人は、あまりの恐さに震え上がり咄嗟に身体を寄せ合う。ここは保健室、ベッドには切原が眠り続けている。
騒ぎ立てた方が悪いと柳は、仁王と柳生の首根っこを掴んで室外へと放り出す。ばたん、と閉まる扉の音と共に、鍵の掛かる金属音が混じる。
「……明日の部活が怖いぜよ」
「大丈夫ですよ。怒るどころか……寧ろ明日は上機嫌でしょう」
「?」
完全に二人を拒絶した保健室の前で、暫く立ち尽くし扉を見詰めていた。
仁王が自業自得を嘆いたが、柳生は口の端を少しだけ上げて微笑んでいた。
その意味深言葉を吐く眼鏡を掛けた紳士へ、銀髪の詐欺師は小首を傾げて見せる。
「明日が来れば判りますよ」
柳生は仁王の背を押しながら声を立て、中にいる二人の邪魔をしてはいけないと、この場から立ち退いたのだった。
***
コートで打ち返された己の打球を、まともに食らい伸びてしまった切原を、背負っていた仁王とその尻を叩く柳生は、保健室で柳と偶然、出くわす。
事の次第を聞き苦笑いをしていた柳だったが、二人が騒ぎ出したのきっかけに保健室から追い出した。
清々したと額に手をやり、ベッドに沈んだままの切原へ視線を注ぐ。
ユニフォーム姿のままに寝かされている彼の額、ちょうど真ん中辺りに打球を直撃した痕が残っていた。
しっかりとボールの線まで残している辺り、どれほどの勢いで打ち、また打ち返されたのか。
それが当たった瞬間を想像した柳は、込み上げてきた笑いを堪える為に、口元を手で覆い隠す。
柳の笑い声が聞こえたか、夢の最中にある筈の切原が、眉間に皺を寄せて小さな唸り声を上げた。
「許せ、赤也」
「……うぃ……っす……」
この声も届いたのか切原は、返事の様な声を発して柳の方へと寝返りを打つ。その寝顔は、先程のものとは異なり、緩んだ笑顔を浮かべているようだった。
窓から流れて来た風に、ベッドを仕切るカーテンがふわ、と揺れる。
それを掴んだ柳は、切原との二人だけの空間を作るように引き寄せた。
薄い布に浮かび上がる影は腰を折り、ベッドで眠る影に覆い被さるのだった。
「早く目を醒ませ――――赤也」
眠り姫の額に残る痕へ、王子様は目醒めの接吻を落とすのであった。
王子様のKiss
2011003
めっちゃくちゃ時間かかりましたが…
赤也、誕生日おめでとう小話でした!!
って赤也、気絶してるやんか!とのツッコミは勘弁してやってください(笑)
目覚めたら一番に、柳の顔が見れるんだから…ね♪
お手伝いしてくれた82も楽しく書けたし、素敵な(少し気障ですが)柳も書けたから…満足してます。
遅くなりましたが赤也、誕生日おめでとう♪
柳先輩へ思う存分、甘えてみて貰いたいです!!
がんばれ、赤也!!
駄文、お付き合いの程…ありがとうございました。
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